法人営業と個人営業の1日の流れとメリット・デメリット
営業と一口に言っても、相手が法人か個人かで1日の動きは大きく異なります。詳細はこちらの記事をご覧ください。
営業職への就職・転職を検討している方向けに、法人・個人、インサイド・フィールドなど職種別の1日の流れやリアルな働き方を徹底解説する情報サイトです。
営業と一口に言っても、相手が法人か個人かで1日の動きは大きく異なります。詳細はこちらの記事をご覧ください。
営業職の1日の流れは、「9時に出社して18時に退社」という一文ではまったく説明できません。相手が法人か個人か、内勤(インサイドセールス)か外勤(フィールドセールス)か、新規開拓かルート営業かによって、朝の始まり方も、昼休憩の取り方も、夕方以降の忙しさもまるで違ってきます。
この記事では、営業職の1日の流れを時間帯別に分解したうえで、職種・営業スタイル・業界ごとのスケジュールの違いを比較します。あわせて、企業の採用サイトに載っている「きれいなスケジュール」と、現場で実際に起きるズレ(残業が生まれるポイント)も、隠さず淡々と整理しました。
この記事でわかること
営業職の1日の流れは、大きく「始業・情報確認 → 顧客接点(アポ・商談)→ 昼休憩 → 商談・移動 → 帰社・事務処理 → 報告・退勤」という6ブロックで構成されます。会社や業界が変わっても、この骨格そのものはほとんど共通しています。
まずは、もっともイメージしやすい「法人向けの外勤営業(フィールドセールス)」を例に、標準的な1日のタイムスケジュールを見てみましょう。
| 時間 | 業務内容 | 内容の詳細 |
|---|---|---|
| 8:30 | 出社・PC起動 | メール確認、当日のアポ再確認、資料の最終印刷 |
| 9:00 | 朝礼・チームミーティング | 数値(KPI)の進捗共有、案件の相談、当日の行動予定の共有 |
| 9:30 | テレアポ・アポイント調整 | 新規リストへの架電、既存顧客への日程調整メール |
| 10:30 | 移動 | 訪問先への移動。電車・社用車など手段は会社により異なる |
| 11:00 | 商談① | ヒアリング、提案、次回アクションの確認 |
| 12:00 | 昼休憩 | 移動中の飲食店・カフェ・車内でとることが多い |
| 13:00 | 移動・商談② | 2件目の訪問。提案またはクロージング |
| 14:30 | 商談③または既存顧客フォロー | 短時間の訪問、納品後のフォロー、クレーム対応 |
| 16:00 | 帰社 | 直行直帰制度がある場合はここで終業となるケースも |
| 16:30 | 見積書・提案書作成/SFA入力 | 商談履歴を入力し、社内で即時共有 |
| 17:30 | 日報作成・翌日準備 | 訪問報告、翌日のアポ確認、資料準備 |
| 18:00 | 退勤 | 事務作業が残ると残業になりやすい時間帯 |
営業職の1日は、意外なほど「商談以外」の時間が占めています。一般的な外勤営業の業務配分は、おおむね次のような割合が目安になります。
| 業務区分 | 1日に占める割合の目安 | 補足 |
|---|---|---|
| 商談・訪問(顧客との対面時間) | 約25〜35% | 実質2〜4時間程度。ここが売上に直結する |
| 移動・待機 | 約10〜20% | 外勤の場合。エリアの広さで大きく変動 |
| 資料作成・見積・契約書対応 | 約15〜25% | 帰社後に集中しやすい |
| 電話・メール・チャット対応 | 約10〜20% | 午前と夕方に山ができやすい |
| 社内MTG・報告・日報 | 約10% | 朝礼と終業前の2回に分かれる |
| 情報収集・自己学習 | 約5〜10% | 業界動向、競合、商品知識のインプット |
時間帯ごとに「やるべきこと」がはっきり決まっているのが営業職の1日の流れの特徴です。ここでは朝から退勤まで、各ブロックで何が起きているかを具体的に分解します。
朝は、前日夜から当日朝までに届いた顧客メールの確認から始まります。急ぎの返信、当日アポの最終確認、必要な資料の準備をこの時間に終えるのが基本です。
朝礼やチームミーティングでは、月間目標に対する進捗、アポ獲得数や商談件数といったKPIの共有、失注・受注の共有が行われます。ここで上司から案件の助言をもらえるため、迷っている案件は朝のうちに相談しておくと、その日の動きが軽くなります。
午前中は、新規開拓を担う営業であればテレアポやメールアプローチの時間に充てられることが多い時間帯です。企業の担当者が席にいる可能性が高く、connect率が上がりやすいためです。
一方、外勤営業では10時台に移動を開始し、11時前後に1件目の商談を入れるパターンが一般的です。午前中に1件商談を終えておくと、午後のスケジュールに余裕が生まれます。
外回りの日は、昼休憩を訪問先の近くのカフェや飲食店、社用車の車内でとることが多くなります。会社の食堂で決まった時間に休むスタイルとは異なり、アポの合間に自分でタイミングを調整するのが基本です。
自由度が高い反面、アポが立て込むと休憩が細切れになったり、後ろにずれたりすることもあります。裏を返せば、スケジュールを自分で設計できる人ほど、休憩をきちんと確保しやすい仕事だとも言えます。
午後は営業活動の中心となる時間帯です。多くの企業で13時〜16時が商談のゴールデンタイムとされ、1日2〜4件の商談を組む営業も珍しくありません。
商談と商談の間には移動が挟まります。この移動時間や、次のアポまでの待機時間をどう使うかが、その日の退勤時間を決める分かれ目になります。移動中に議事録の下書きやメール返信を済ませておく人と、何もしない人とでは、帰社後の作業量が明確に変わります。
16時から17時頃に帰社すると、そこから見積書の作成、提案書の修正、受発注処理、SFAへの入力といった事務作業が一気に集中します。営業職の1日の流れの中で、もっとも「詰まりやすい」のがこの時間帯です。
さらに、顧客からの急な仕様変更の依頼やクレームが夕方に入り、その日の予定が崩れることもあります。この2つが重なった日は、定時退社が難しくなります。
1日の締めくくりは、日報の作成と翌日の準備です。近年は、商談直後に記憶が新しいうちにSFAへ履歴を入力し、チーム内で即時共有する流れが標準になりつつあります。
日報を「その日の作業報告」ではなく「翌日の行動計画」として書けるようになると、翌朝の立ち上がりが早くなります。翌日のアポ確認と資料準備までを退勤前に終えるのが理想形です。
毎日必ず残業になるわけではありませんが、残業が発生しやすい時間帯とタイミングははっきりしています。特に帰社後の16時〜17時台に事務作業が集中する日と、月末月初の締め処理の時期は長くなりやすい傾向があります。
一方で、SFAや生成AIの導入によって議事録作成や日報の入力が効率化され、無駄な残業は減少傾向にあります。応募時には「月平均の残業時間」だけでなく、「繁忙期と閑散期の差」「使っている営業支援ツール」まで確認しておくと実像に近づけます。
職種と業界によります。全体としては原則出社に戻す企業が増加傾向にあり、テレワーク実施率は21.4%と微減、「原則出社」の指示は24.6%と2年連続で増えています。
ただし、インサイドセールスやIT・SaaS業界では、オンライン商談が前提のため引き続きテレワークが定着しているケースが多く見られます。外勤営業でも、直行直帰制度を活用すれば出社回数を減らせる会社があります。
アポとアポの合間に、カフェや飲食店、社用車の車内で休憩・昼食をとるのが一般的です。決まった時間に一斉に休む働き方ではないため、自分でタイミングを調整することになります。
スケジュール管理ができていれば自分のペースで休憩を取りやすい反面、アポを詰め込みすぎると休憩が細切れになります。1日のアポを組む段階で、移動時間を含めた余白を確保しておくことが実務上のコツです。
多くの企業でOJTやロールプレイングなどの研修制度が用意されており、最初は先輩に同行する形から始まります。いきなり単独で商談を任されるケースは多くありません。
つまずきやすいのは商談よりも社内の事務手順です。見積書の作成方法、承認フロー、SFAの入力ルールを早めにメモにまとめておくと、独り立ちの時期に1日の流れが安定します。
目標(ノルマ)は設定されるのが一般的で、特に新規開拓がメインの業界ではプレッシャーを感じる場面があります。この点は事実として押さえておくべきです。
一方で、ルート営業のように需要が安定しており、既存顧客との関係維持が中心の業界もあります。また、目標が「売上」だけでなく商談件数などのプロセス指標も含めて設定されている会社では、日々の行動が評価につながりやすくなります。求人票で「目標設定の方法」と「未達時の運用」を確認しておくと判断材料になります。
制度としての直行直帰と、実際の運用は分けて考える必要があります。効率化のため朝一のアポへ自宅から直接向かい、夕方のアポ終了後そのまま帰宅する運用を推奨する企業は多い一方、実際は帰社が慣習になっている職場もあります。
面接では「制度の有無」ではなく「営業職の実際の利用頻度」を聞くのが有効です。あわせて、直行直帰時の勤怠管理方法(アプリ打刻か、報告制か)も確認しておくと、入社後のイメージが具体的になります。
外勤の法人営業で2〜4件、個人営業で3〜6件程度が一つの目安です。オンライン商談が中心の場合は移動がないため、1日5件以上を組むこともあります。
ただし、担当エリアの広さや商材の単価によって大きく変わります。「1日◯件」という数字だけでなく、1件あたりの商談時間と移動時間をセットで確認すると、実際の忙しさが見えてきます。
同じ業界でも、分業体制の有無、担当エリア、使用ツール、繁忙期によって大きく変わります。特に「インサイドセールスと分業しているか」は、1日の流れを決定づける要素です。
そのため、企業研究では「営業職の1日」という一般論ではなく、志望先の営業組織がどう構成されているかを見るのが近道です。面接で「1日のスケジュールを教えてください」と質問するのは、ごく自然で歓迎される確認事項です。
営業職の1日の流れは、「始業・情報確認 → 顧客接点 → 昼休憩 → 商談・移動 → 帰社・事務処理 → 報告・退勤」という骨格を共通としつつ、法人か個人か、内勤か外勤か、新規かルートかによって中身が大きく変わります。一つのモデルスケジュールだけを見て判断するのは避けたほうがよいでしょう。
現実的なポイントは、残業が生まれる場所がはっきりしていることです。帰社後の事務作業の集中、夕方の突発対応、月末月初の締め処理、そして移動・待機時間の空転。この4つに手を打てば、1日の流れは自分でかなりコントロールできます。